四気五味帰経

臨床常用手冊

臨床常用手冊

五味・四気・帰経および効能・主治

凡例

 例) 麻黄:辛苦,温,肺・膀胱 1.散寒解表 2.宣肺平喘 3.行水消腫

 辛苦は五味,温は四気,肺・膀胱は帰経である。

 効能と主治は4字であらわす。例えば,麻黄は,1.散寒解表 2.宣肺平喘 3.行水消腫とする。しかし,これは学習と記憶に便ならしむるのが目的で,これが麻黄の薬効のすべてではない。また,麻黄の薬効を三つに分けてはいるが,それぞれ独立したものではない。麻黄の発汗・宣肺作用が,解表・平喘・消腫として効果をあらわす。

 薬効が4字であらわされているが,前の2字は効能であり,後の2字は主治である。「平肝熄風」では,平肝が効能,熄風が主治。そこで,2字目は病因・病理を,4字目は病症をしめす。肝は肝病,風は内風証。

 このような標記は,弁証施治の考え方にもとづく。香と蘆根はともに止嘔のはたらきがあるが,香は「温胃止嘔」,蘆根は「清胃止嘔」である。これによって,香は胃寒証の嘔吐に,蘆根は胃熱証の嘔吐に使用されることをしめす。 
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